ICT活用シリーズ①
(株)志多組 土木本部では、
ICT技術の活用に積極的に取り組んでいます。
国土交通省が推進するi-constructionへの取組みはもちろん、測量の3次元化による効率化を働き方改革の一つと位置付け、「若者が働きやすい職場環境づくり」を進めています。
これまでのICT技術を活用した取り組みをご紹介していきます。
【第一回】
現場活用事例
■道路新設工事の盛土量算定
切・盛土量の算出は、通常測点ごとに横断測量を行いその集計で算出します。
写真測量では、専用のソフトウェアにより点群を生成し、設計3次元モデルとの差分により土量を算出します。
設計データ作成・写真測量は、ICT専属の社員が行うので現場技術者は評定点の位置(座標・標高)測定を行う程度です。
従来の各測点毎に山を上り下りしながら横断形状を測定する方法に比べて、現場技術者の負担は大幅に削減されます。
3次元地形データ
3次元モデル配置
地表データと3Dモデル間の土量を算出
■海岸保全工事
養浜作業を行うにあたり、採取・運搬した土量を算定するために3次元技術を利用しました。 土砂の採取箇所を採取前と採取後を写真測量により3次元点群化し、その間の土量を専用ソフトウェアで算出しました。
熱い砂浜での作業時間を短縮することで熱中症のリスクが抑制されました。
採取前の点群
採取後の点群
点高法による採取土量算定
暑/寒風の中での測量はつらいものです。
厳しい環境の中での労働を減らすことができるのもICT技術の魅力の一つです。
用語の解説
■空中写真測量
空中から連続して撮影した写真と標定点の座標データを専用のソフトウェアで処理し、3次元の地形データを作成する測量です。
物を片眼で見るより両目で見た方が距離・大きさを感じられるという原理を利用した技術です。
撮影には広く一般に普及している「ドローン」を使用しています。
下記の写真は、当社が写真測量に使用している機体です。
Inspire2
Phantom4Pro
■点群
写真測量により作成された「点群」を構成する点は、座標X,Y標高Hと、色R,G,Bデータから構成され、それぞれの点を3次元空間に配置しRGB発色することで、3次元空間に地表を写真のように再現することができます。
平たく言えば、写真の微細な各点に高さを与えて起伏をつけたものと考えればいいと思います。点群を専用のソフトで見ると写真が立体になり、あらゆる角度から見ることができます!!
写真測量で海岸を3次元化した点群
上の点群を拡大していくと点の集まりであることが分かります。
今回は以上です。
今後も不定期で掲載します(^-^;——————–<(_ _)>